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交渉と感情の関係について
研究が進んだこの10年
ハーバード・ビジネス・スクールの講義で、私が何より楽しみにしているのは「契約を守る」と題した交渉法の指導である。
まず学生を2人ずつ組ませ、関係のこじれた架空のサプライヤー(コンピュータ部品メーカー)とクライアント(検索エンジンの新興企業)に関する異なる内容の説明資料をそれぞれに渡して、目を通すように指示する。両社は8カ月前に詳細な契約を結んだが、現在はいくつかの契約条件(販売量、価格、製品の信頼性、エネルギー効率)をめぐって意見が対立しているという設定だ。クライアント役とサプライヤー役に分かれた2人には、個々に自陣営の財務状況や駆け引きに関する機密情報を渡す。
そして、交渉演習のセッションに入る。交渉の結果として考えられるのは、契約の修正、契約の終了、高額な費用がかかる法廷闘争である。