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ブランド認知度や顧客満足度より重要な指標
顧客の心をとらえた企業は、莫大な利益を手にできる。次の事例を考えてほしい。
ある大手銀行が、ミレニアム世代のハートをつかむことを狙ってクレジットカードを発行したところ、このセグメントのカード利用は70%も伸び、新規発行枚数は40%増加した。家庭用洗剤のトップメーカーが、新製品を発売して消費者の気持ちを最大限に引きつけるメッセージを送ると、1年後には市場シェアの低下傾向から反転して2桁増を達成した。全米にチェーン展開するアパレル会社が、自社製品への愛着が最も強い顧客セグメントを意識して、商品政策(マーチャンダイジング)と顧客経験(カスタマーエクスペリエンス)を改善した結果、既存店の売上高増加率が3倍超になった。
かように、新たな価値を創造する大きな機会があるのだから、企業は顧客との感情的つながりを、科学や戦略として追求すべきなのだ。ところが大多数の企業は、科学よりも当て推量に頼ってつながりを模索している。そして結局、何が本当に有効であるのか、施策によって望むところの成果が生まれたのか、ほとんどわからずじまいである。