-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
PDFをダウンロード
なぜキャピタルワンは方針を転換したのか
第2四半期が終盤に差しかかった頃、あるレストランチェーンのCMO(最高マーケティング責任者)が出社すると、自分のオフィスにCEOが顔を見せていた。この業界のCEOはご多分に漏れず、CMOを「最高売上責任者」と見なしている。
この日、CEOが立ち寄ったのも、売上げについて話すためにほかならない。「第2四半期も残すところ1カ月しかありません。天候不順で落ち込んだ分を取り戻すには、何らかの起爆剤が必要です。IT部門のデータアナリストの話では、レスポンスが一番よかったのはハンバーガーのクーポンとアプリを配布した時だと聞きます。そこで、もう一度クーポンを配布してはいかがでしょうか」
CMOは、向こう数カ月はブランドエクイティの強化に力を入れようと考えていた。第1四半期の低迷を受けてやむなく行った値引き中心の施策に変えて、料理の品質と伝統あるブランドを前面に出した広告展開を計画していたのだ。しかし、上司から頼まれてしまった以上、どうすればいいのだろう。