製品やサービスのブランド価値を認知させるには時間が必要だ。それがラグジュアリーブランドであればなおさらであろう。日本を代表する高級車「レクサス」は、いままさにその課題と向き合っているブランドの一つである。BMW、メルセデス・ベンツ、アウディのように、消費者の世界観そのものを変えてしまう本物のブランドに成長するために、いかなる施策を実施しているのか。Lexus International Co.でPresidentを務める福市得雄氏に話を聞いた。

ブランドは一朝一夕でつくれない

編集部(以下色文字):御社では、トヨタとは独立して「レクサス」というブランドを立ち上げ、国内外で成果を上げています。そこに至るまでに、どのような施策を実施されたのでしょうか。

福市(以下略):「レクサス」は1989年に米国で生まれ、日本でも導入を始めて11年になります。しかし、レクサスブランドを確立できたとはまだとてもいえません。