それぞれが絵に込めた思いとは

 最初は山鹿さんから。

「私が大切にしているのは、チームワーク、人とのコミュニケーションです。ただ、それは社会人になってから経験として積み上げてきたこと。本質について深く考えると、私はワクワクするようなことが好きだということに行き着きました」

 仕事をするなかでも、要所要所でワクワクする場面があったという山鹿さん。

「そのワクワク感を表現したいと思ったのですが、なかなかうまくいきません。そこでふと考えたのが、最近流行っている『ポケモンGO』です」

 ポケットモンスターのボールと富士ゼロックスのロゴにある「コネクティング・シンボル」と呼ばれる球体は似ている。ポケモンと同じように、富士ゼロックスのロゴにもワクワク感が詰まっているではないか。そう思いながらロゴを見るようになったといいます。

「ワクワクするものをつくれば、お客さまには必ず通じる。そう信じているので、ロゴの球体をモチーフに、このような絵を描きました」

 タイトルは「未来へ」。ワクワクの詰まった会社という思いを込めたといいます。

 続いては市村さん。

「職場の全員が向かってくれるビジョンを出すことが成功である。そういうことをずっと考えていたので、絵にもそれを表現しようと思って描きました」

 タイトルは「目指す」。栗原さんが「絵心がある」と絶賛していました。ただ、描いている途中は完成形とは違うアングル。まわシングによる成果です。

「地上から飛び立つようなイメージで描いていたんですが、描き終わってグルグル回しているうちに、このほうが躍動感が出ると思って変えました」

 働くうえで大切にしている思いという観点ではありませんが、絵に親しむ市村さんはパステルにも関心を持ったようです。

「パステルを使うのは初めてでしたが、グラデーションで遊ぶのが非常に面白く、描いているうちにそれが楽しくなってきてしまったんですね」

 次は船田さんです。

「私が働くうえで大切にしているのは自分が楽しむこと。そしてそれが、お客さまや一緒に働く人が楽しくなり楽になることにつながればいいなと思っています」

 それを表現しようと描き始めた船田さん。途中で違う感情に気づいたようです。

「仕事をしていると、社内外を問わずいろいろな色合いを持った人がいます。場合によっては、その人たちが直線的にぶつかってしまうこともある。でも私が真ん中で笑顔を大事にしながら巻き込むような気持ちで仕事をしていれば、違う色合いがだんだんと溶け合う瞬間があることを感じているのです」

 まだまだ自分の色が強く出すぎてしまっていると反省する船田さん。

「でも、巻き込んでいくことで、最後はみんなが調和する色になることを大事にしたいと思いました」

 その思いを込めて、船田さんは「調和」というタイトルを選びました。

 最後は栗原さん。

 左下の部分について、参加者からは「土の中」と見られてしまいました。

「僕は表現力がないからなあ。でも、これは土の中じゃない。頭の中。さまざまな思いやアイデア、意思、やりたいことを時系列で描いているのです」

 アイデアで終わってしまった無念、やっておけばよかったという後悔。それが頭の奥に埋もれているといいます。

「でも、挑戦すると光が見える。未来が見える。そんなにできることは多くはないけれども、失敗したって後悔がない。そういったことを表現したいと思って描いたけれど、もう少し絵が上手だったらねえ……」

 そう照れる栗原さんは、タイトルを「No Try,No Success」としました。

「社内でいつも言っているし、会社のwebサイトにも書いてあるほど、いつも頭の中にある言葉。それを絵にしてみたらこうなったということだね」

 栗原さんが働くうえで大切にしている思いとは。絵に込めたメッセージとは。その詳細については、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー2月号に掲載されています。ぜひご覧ください。