組織全体の意欲が高く、優秀な人材が組織を離れても、次を担う人材が育っているリクルート。「起業家精神」「圧倒的な当事者意識」「個の可能性に期待し合う場」という企業文化が個の成長を支える下地になっているが、それだけではない仕組みも存在する。リクルート流の人材育成について、同社代表取締役の峰岸真澄氏に話を伺う。

よい意味で分をわきまえない

編集部(以下色文字):御社の社員の方々は、一部の人だけではなく、組織全体が高い意欲や意志を持っているように見えます。その理由を教えてください。

峰岸(以下略):その理由は、リクルートの経営理念と企業文化に求めることができます。リクルートのミッションは「私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指す。」です。そのミッションを達成するための大切な考え方を「ウェイ」といい、「新しい価値の創造」「社会への貢献」「個の尊重」という3つの要素を掲げています。