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人事査定はなくしてもよいのか
人事査定を受けるために上司のオフィスに向かう時は、誰であれ不安に駆られて足取りが重たくなる。人事査定はどこか気まずく、公平とはいえない瞬間だ。社員は業績評価に伴ってランク付けされ、その結果を通知されるまで延々と待たされる。2015年末までに、フォーチュン500企業のうち、少なくとも30社が業績評価を全面廃止したのも不思議ではない。しかし、些細なことに囚われて、肝心なものまで放棄しないほうがよい。
現実問題として、業績評価を廃止してもランク付けは厳然と存続する。ただし、社員がみずからの立ち位置を把握できなくなるだけだ。ランク分けは見えないところで主観的に行われ、評価を受ける側の意見が反映されないおそれがある。
業績とは、社員がある期間内で組織にもたらした貢献度にどれだけ価値があるかを示す指標だ。何らかの方法でその価値を評価する必要があり、報酬や昇進についても決断を下さなければならない。『インダストリアル・アンド・オーガニゼーショナル・サイコロジー』誌主催の討論会で研究者たちが指摘した通り、「業績は必ず、何らかの方法で評価されるもの」なのだ。正規の制度がなければ、評価はブラックボックスの中に隠れてしまう。