イノベーション投資は
必要だが重荷となっている

 レインバードは、製品ラインを特化し、スプリンクラーをはじめとする芝生や庭の灌水(かんすい)システムを製造するユニークな企業である。しかし、他の企業同様に、成長を続けるには消費者にアピールし、小売店のバイヤーの目を引く新製品をたえず投入しなければならない。景気低迷のなか、同社もまたイノベーションへの投資を抑制せざるをえないと感じてきた。

 順風満帆な時ですら、イノベーション投資は重荷になることがある。概して成功率は低く、投資回収も確実ではない。たとえ回収できたとしても、短期間で済むことはまずない。まして現金が逼迫している時は、長期的な成功にイノベーションは欠かせないとわかっていても、正当化しづらいのだ。

 では、2010年にレインバードが独自技術を基にした新しい製品ラインを導入し、すぐに投資を回収できたのは、なぜだろうか。