消費財において、値引きは即効性の高い強力な武器である。売上データがリアルタイムに収集できる現在、この戦術は精緻化し、ますます効果的になっている。しかしその結果、ブランド・マネジャーは近視眼となり、ブランドの長期的な健全性がおろそかになっている。ピクルスの〈ブラシック〉、ゼネラル・ミルズ時代の〈ラコステ〉など、ブランド価値を忘れ、値引きに走って失敗した例は多い。逆に、ナイキ、ビクトリアズ・シークレット、クロロックスなど、価格戦略とブランド戦略をバランスさせている企業もある。それは、短期データと長期データの両方を測定・活用するマーケティングの確立にほかならない。