決定のとき

 1週間後、アリーヤは決定に向けて、まだ一歩も踏み出せずにいた。彼女はモリーを避け、エドの履歴書とブラッドの分析結果を引き出しにしまい込んでいた。エドが書面上優れて見えること、そして、面接も上出来であったことに、疑いの余地はなかった。アリーヤは感銘を受けていた。だが、モリーがこの任務に向いていることも、アリーヤは直感的に知っていた。

 とはいえ、アリーヤは自問しなくてはならなかった。親しい間柄ゆえに、自分はモリーをえこ贔屓していないか。また、たとえ今回の昇進から外されてもモリーは会社にとどまる、というクリスティーンの見立ては正しいのか。

 アリーヤは決定する必要があった。アルゴリズムと彼女自身の直感のどちらを信頼すべきか。

 問題:アリーヤは、モリーとエドのどちらを採用すべきか。


HBR.ORG原文:Case Study: Should an Algorithm Tell You Who to Promote? February 28, 2018.

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ジェフリー T. ポルザー(Jeffrey T. Polzer)
ハーバード・ビジネス・スクールのUPS基金記念講座教授。同校の組織行動ユニットで人材管理を専門とする。