費やされる時間と、
戦略へのコミットメントは増加している

 平均して、取締役が取締役会の業務に費やす時間は、近年著しく増えた。2011年と比較して、回答者は現在、取締役会の業務に年間で5日多くあてるようになり、実際にかけている日数と望ましいと考えている日数との差は、2011年の10日から5日に半減した(図表1参照)。

図表1

 日数が増えるにつれ、戦略にかける時間も伸びており、取締役会のメンバーは、そこで最大の貢献をしていると述べる傾向がある(図表2参照)。実際、所属する取締役会について、その他の業務分野に比べて戦略面で手腕を発揮していると述べる回答率はほぼ2倍で、パフォーマンスについて最も低く報告されているのは組織の健全性と人材管理である[注3]。さらに、戦略は取締役が年間で9日を費やす分野であり、これは調査対象の7つの関連業務の中で最長の時間である。

図表2

 だが、それだけ戦略に注力していても、大半の取締役は、戦略面の問題により多くの時間を投入したいと望んでいる。取締役の52%は、自社へ与える価値貢献の大きさを理由に(図表3参照)、今後数年間で戦略にあてる時間を増やしたいと述べている。組織の健全性および人材管理についても同じ割合で同様の意見が出されたが、この分野には、取締役会は1年当たり3日しか費やしていない。

図表3