-
Xでシェア
-
Facebookでシェア
-
LINEでシェア
-
LinkedInでシェア
-
記事をクリップ
-
記事を印刷
-
PDFをダウンロード
人事分野で進むアジャイル化
「アジャイル」(俊敏さ)は、もはやテクノロジー分野に特化した手法ではない。製品開発、製造、マーケティングなど他の分野にも浸透し、いまや人材の採用、育成、管理を変えつつある。
人事分野では、テクノロジー分野のアジャイル手法のツールや慣習をすべて取り入れているわけではない。一般原則だけを応用しており、言わば「簡易なアジャイル化」が進行中である。ルールと計画に基づく手法から、参加者のフィードバックに基づく簡潔で迅速な手法への移行である。この新しい手法は業績管理の領域では十分に機能し始めている(デロイトが2017年に実施した調査によると、世界各国のエグゼクティブの79%が、アジャイルな成果管理は組織の優先事項だと回答した)。ただし、他の人事業務にも変化は及び始めている。
この現象は、全組織の90%超がすでにアジャイル手法を取り入れるIT分野からの波及効果として、多くの企業で自然発生に近い形で徐々に起きている。たとえばモントリオール銀行では、顧客重視の強化を使命とする職能横断的な製品開発チームに、IT系の従業員が加わったことを機に変化が起きた。事業部の出身者はIT部門の出身者からアジャイル手法を学び、IT部門の出身者は事業部の出身者から顧客ニーズを学んでいる。こうしてモントリオール銀行では現在、個人だけでなくチームにも着目して成果管理を実施している。