「パーパス」が問われる時代

「企業のパーパスは、20世紀型のような規模の経済による効率性の追求ではない。より早く、より規模の大きい学びを得るために、いまの時代の大企業が組織の外の世界に学びを求めるのは自明のことである」

 これは、筆者がシンギュラリティ大学[注1]のエグゼクティブプログラムに参加した際、デロイトのセンター・フォー・ジ・エッジに所属するジョン・ヘーゲル3世が伝えたメッセージである。自分がさまざまな企業経営やイノベーションの現場で未来創造をしてきた経験から、最も腹落ちした言葉だ。

 ヘーゲル3世は、20世紀型組織は製品・サービスの生産効率を重視するが、21世紀型組織はデジタルインフラ上でビジネスを展開するので、知識創造の量と質、スピードが価値になると言う。より多くのチエを生むために外に開き、外部からヒト、モノ、カネ、データというリソースを引き付ける環境そのものが価値創造に直結するのである。