パーパスが従業員にもたらす効果
ジェラード・アンダーソンがDTEエナジーの社長に就任した時点では、組織が高次の、いわゆるパーパスを持つことの威力を信じていなかった。
ここで言っているのは、企業がいかに経済的価値を創出していくかに焦点を当てた、明確なミッションがあるかという話ではない。DTEにもミッションは存在し、株主のために長期的な利益を生み出すという目標が設定されており、アンダーソンもその重要性を理解していた。
パーパスとは、経済的なやり取りとは関係なく、もっと崇高な何かを反映したものだ。組織と関わる人がどのように価値を生み出していくかを説明し、彼らに意義を見出させ、支持を引き出す。しかし我々が調査の一環でインタビューしたリーダーの多くと同様に、就任直後のアンダーソンは、その重要性に懐疑的だった。主に経済面から同社を理解していた彼にとって、パーパスという概念はしっくりとこなかったのである。