「日本の工芸を元気にする!」
なぜ新たな目的が生まれたのか
編集部(以下色文字):創業300年を超える老舗企業が企業の存在意義を見直し、「日本の工芸を元気にする!」という新しいビジョンを掲げ、成長につなげました。パーパスを重視した経営スタイルだとお見受けしましたが、その経緯について教えてください。
中川(以下略):まず家業を継ぐと決め、2002年に中川政七商店に入社しました。その当時、会社には茶道具全般を扱う第一事業部と、麻生地を使った雑貨を扱う第二事業部との2つの事業部がありました。
特に、第二事業部には「生産管理」という概念がなく、赤字でもありましたから、まずは業務改善に力を注ぎました。その後、予算も順調にクリアするようになりました。