効果的に発言するための戦略

 ●2~3個の決め球を前もって用意する

 私がともに仕事をしたシニア・エグゼクティブは、キャリア初期の頃、パブリック・スピーキングが死ぬほど怖かったという。その恐怖を克服するために、彼女はあらゆる会議で発言することをみずからに課し、前もってコメントや質問を準備した。彼女はいまや社内のロールモデルであり、また業界きっての第一級のスピーカーと目されている。

 会議中にインスピレーションが湧くのを待ってはいけない。前もって準備しよう。

 ●「なぜ、自分が?」と問う

 プレゼンを作成する前、会議に入る前、あるいはネットワーキング・イベントの準備をする前にも、こう自問をするとよいだろう。つまり、なぜあなたが自分の仕事を、自分の組織を、あるいは自分の役割を大事だと思っているかを問うのである。

 この問いに答えることが、目的意識を自覚して、自信を構築する助けになる。目立ちたいからではなく、いまやっていることを本当に大切に思っているから発言している、と自覚できる。あなたの信頼性が単に肩書きや経験年数に由来するだけでなく、あなたのコミットメントと情熱にも由来しうることが、再認識できる。

 ●間を置いて深呼吸し、自信を奮い起こす

 会議で発言するには勇気が必要だ。クライアントとのミーティング中に同僚が話を脱線させてしまったときでも、あなたにはその会話の流れを引き戻す力量があり、もしかしたら取引を承諾する方向にクライアントを誘導できるかもしれない。

 間を置いて深呼吸することは、精神を集中するのに役立ち、また声に力を入れやすくなるので、信念を込めて話せるようになる。ひと呼吸置いている際に、こう自問しよう。「もし、この部屋にもう1人、同じ疑問を抱いている人がいるなら、自分はその人に代わって、その疑問を口にすることができるだろうか」。その答えがあなたの自信を奮い立たせるはずだ。

 最近、あるクライアントがまさに、このテクニックを使った。大きな会議の場で、出席者全員の前で疑問を呈したのである。その疑問がパネル・ディスカッション全体の方向を変え、パネリスト全員が避けていた重大な問題に光を当てた。

 一方で、時には会議で最も寡黙な人が最大の力を持つ場合もある。経営幹部としての存在感は、話す内容はもちろんのことながら、発言するタイミングについても戦略的であることから生まれる。以下では、意見を控えるべき時について、3つの忠告をする。