宇宙から青い地球を見てみたい
編集部(以下色文字):向井さんは医師として第一線で活躍されたのち、アジア人女性初の宇宙飛行士となりました。その大きな挑戦を決断された、きっかけを教えてください。
向井(以下略):私が宇宙飛行士を目指したきっかけは、大学病院の医師として働いていた1983年、当直明けに読んだ新聞で見た、宇宙開発事業団(NASDA)の「日本人宇宙飛行士募集」という広告でした。それまでは宇宙に行くのは米国とソ連(現ロシア)の軍人だけだと思っていましたから、日本人も宇宙に行ける時代が来たことに、とても驚きました。
詳しく読むと、パイロットの募集ではなく、微小重力や放射線など特殊な宇宙環境を利用して研究分野を拡大することが目的で、研究者や技術者を求めるものでした。それを見て、これなら自分の医師としての経験も活かせるかもしれないと感じました。