5Gの商用化で到来する本格的な常時接続時代
巨大スクリーン上で中継されたカーレースは、見る者を圧倒した。超高解像度の映像は、まるで自分がその空間にいるかのような没入感。実際の観戦ではけっしてできない、複数の視点を自由に切り替えながらの観戦。新しい映像体験が、スポーツやエンタテインメントの楽しみ方を根底から覆す可能性を秘めていた。
これは、筆者が先日、次世代通信規格「5G」を活用したソリューションを体験する機会で感じたものだ。日本では5Gの商用化が2020年3月(予定)と迫ってきており、さまざまなメディアでもその特集が組まれている。自動運転や遠隔手術などの実用化により複数の産業がその形態を大きく変えていく、などと喧伝されているため、5Gへの期待値は日に日に高まっている。
実際、2018年の平昌(ピョンチャン)オリンピックを機に5Gが先行導入された韓国では、当初この新しいテクノロジーに懐疑的であった人たちでさえも、その動画の速さに感銘を受けた。周波数の関係から「5Gは屋内での接続がよくないのではないか」という懸念もあったが、これもまた払拭された。5Gのソリューションは、何かこれまでとは違った体感を生み出す「新しいインフラ」になりそうだ。