Chris Stein/Getty Images

創造性やイノベーションの阻害要因を検討するとき、マネジャーの多くはコンプライアンスなどの規制やリソース不足を指摘する。しかし、筆者らの研究によると、そうした制約の存在はビジネスの足を引っ張るどころかむしろ、プラスの影響をもたらすという。ただし、過度の制約は禁物だ。本稿では、マネジャーが適度な制約を設ける方法を示す。


 最近の調査によると、イノベーションの最大の阻害要因だとマネジャーたちが考えているのは、コンプライアンス(法令遵守)関連の制約やリソースの不足である。この一般的な通念の通りなら、いっさいの制約を取り除くことが望ましいことになる。規則や制限をなくせば、創造性とイノベーション思考が花開く、というわけだ。

 しかし、私たちの研究によれば、この常識は間違っているようだ。イノベーションは制約があるほうがうまくいく可能性がある。