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プライベートを犠牲にしてがむしゃらに働き、昇進して十分な給料をもらえても、ふとした瞬間にその生き方を疑問に感じ、燃え尽きてしまうことがある。プレッシャーの大きな仕事に従事して、仕事が自分のアイデンティティのすべてになっている人ほど、この状態に陥りがちだ。本稿では、仕事とアイデンティティの「エンメッシュメント」を防ぐ5つのヒントを紹介する。


 ダン(プライバシー保護のため仮名)は、本当ならボストンの大手法律事務所に出勤している時間だった。しかし、パジャマ姿で自宅のバスルームにうずくまり、ひげも剃らず、タオルに顔をうずめて泣いていた。

 異変は少しずつ始まった。法律事務所のパートナーを務めるダンは、とりわけ強引なクライアントと打ち合わせをしている最中に、ふと思った。「自分はどうしてこんなところにいるんだ?」