(1)目標と具体的ニーズを明らかにする

 紙とペンを用意し、自分のキャリア目標を書き出す。SMART(Specific〔具体的〕、Measurable〔測定可能〕、Attainable〔実現可能〕、Relevant〔組織の目的〕と一致、Time-bound〔期限つき〕)な目標であること。

 次に、実現するうえで障害となる主要な問題を挙げる。それによって探すべきメンターのタイプが決まる。必要なのはたとえば、新しいスキルを身につけることだろうか、特定分野で人脈を広げることだろうか、それとも難しい話し合いをするための自信をつけることだろうか。

 まず、自分がどこに向かいたいのか、そしてそこに到達するうえで何が最大のチャンスとギャップなのかを知ることが、メンターにどのように助けてもらいたいかを見極める手立てになる。

(2)理想のメンターの「募集要項」を書き出す

 自分の目指すゴールと、それを達成するために何が必要かがわかったところで、メンターにどう助けてもらいたいかを考える。最大のチャンスを物にする、または課題を克服するのにふさわしいメンターのタイプを書き出そう。

 ここでは、具体性が重要だ。プロジェクトの遂行を助けてくれる人、特定の業界のあるレベルの人を紹介してくれる人、厳しい交渉を指南してくれる人、などである。募集要項には、「なぜ」の項目も書き入れる。企業が応募者に自社の大義を知ってもらいたいのと同じように、自分をメンタリングすることが、とのような大きな意味を併せ持つのかを説明する。

 メンター候補にアプローチするときは、必ずこの募集要項を含めること。なぜメンターを求めているのか、なぜ助けようと思うべきか(ステップ4と5で説明)を伝えること。

(3)二次のつながり(知り合いの知り合い)を通じてメンターを探す

 メンターはどこで見つけてもかまわない。自分のリンクトインのネットワーク、仕事上のつながり、会議で知り合った人でもよい。

 誰もが忙しいのは当たり前だが、メンターを依頼されることは大変に光栄なことだ。断られたとしても、前向きな接触に変わりない。だから、自分のために割ける時間などないと思うような相手であっても、遠慮せずに思い切ってお願いしたほうがよい。その判断は相手に任せよう。

(4)依頼する(簡潔に)

 初めて誰かにメンターを頼むときは、戸惑うものだ。2度目、3度目であっても同じかもしれない。誰からも頼まれた経験のない人や、頼み方を教わったことがない、という人がほとんどだろう。その気まずさを抱えたまま素直にぶつかろう。

 頼んで悪いことは何一つないが、焦らないこと。相手の仕事や興味について知りたいと言って、最初の会話の機会を申し込もう。互いのことがわかり、方向性が一致するなら、本題であるメンタリングの依頼をする。いきなりメンターになってほしいと長いメールを送りつけると、相手に負担をかけるだけだ。