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新型コロナウイルス感染症の世界的流行が企業活動に甚大な影響を与え始めており、なかでも部品の供給を中国に依存している会社への打撃は計り知れない。ただし、最悪の状況が訪れるのはまだ先であり、欧米企業が中国工場の停止による余波を受けるのは3月半ばであると筆者らは指摘する。


 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界のサプライチェーンに影響を及ぼし、製造業の生産活動に大きな打撃を与えていることを伝えるニュースが続々と報じられている。しかし、最悪の状況が訪れるのはまだ先だ。

 私たちの予測によれば、世界のサプライチェーンへの影響が最も大きくなるのは3月半ばである。この時期には、米国や欧州でも多くの企業が生産を減らしたり、工場を一時閉鎖したりせざるをえなくなる見込みだ。

 とりわけ打撃が大きいのは、部品の供給を中国の工場に大きく(あるいは全面的に)依存している会社だ。この1ヵ月間は中国の工場の生産活動が停滞しており、その状態がさらに数ヵ月続くと見られている。