日本人らしさを発揮して
国際機関を率いる
日本の保険会社で国内営業をしていた筆者は、ふとしたきっかけから新しい国際機関の立ち上げに参画し、その後20年間にわたり、そのマネジメントに携わった。うち15年間は事務局長として、経営をリードしてきた。
その国際機関とは、保険監督者国際機構(IAIS)である。スイスのバーゼルに本拠を置き、G20のリーダーシップの下、金融規制を担っている。特に保険の分野において、世界中の規制当局の責任者や保険会社の幹部とさまざまな議論を重ね、国際基準を設立する役割を果たしている。
IAISは、全加盟当局の職員数を合わせると約3万人に上る。その委員会や作業部会に300人近くの各当局の代表者が名を連ねており、バーゼルにいる35人の事務局員が彼らを支援している。