指揮統制からコーチングへ
その昔、キャリアを成功させるためにはまず、何らかの技術や機能、専門分野に関わる知識を身につける必要があった。仕事をうまくこなすということは、正しい答えを知っていることを意味した。そのようにして能力を発揮できれば、出世がかない、いずれはマネジメント職に就く。
そこでは、部下たちにも同じ答えを学ばせなければならなかった。マネジャーであるあなたは、何をすべきかを把握し、どのように遂行するかを部下に教え、彼らのパフォーマンスを評価した。指揮統制が何よりも重要であり、目標は、ビジネスの仕組みを理解し、過去の成功を再現できる従業員を育成・管理することにあった。
だが、現在はそうではない。急速で絶え間ない、破壊的(ディスラプティブ)な変化がいまや当たり前であり、過去の成功はもはや将来の成功の指針とはならない。21世紀のマネジャーは、正しい答えをすべて知っているとは限らない(知ることもできない)。