困難に直面した際に有効なリーダーシップ

 リーダーシップという言葉は、学者から経営者、現場の従業員まで、多くの人によって、さまざまな場面や文脈で使われている。また、実務的にも学術的にも、新しいリーダーシップのあり方が次から次へと提示されているが、リーダーシップとは何かと問われ、きちんと答えられる人はけっして多くないだろう。

 リーダーはまず、リーダーシップの定義とリーダーの行動が与える影響を理解することだ。たとえ、さまざまなリーダーシップスタイルを知っていたとしても、その前にリーダーシップとは何か、リーダーシップとはどのように理解すべきかを知らなければ、それを活かすことは難しい。言い換えれば、「リーダーシップの見取り図」を持たなければならない。

 リーダーシップの定義はさまざまあるが、教科書的には「集団に目標達成を促すよう影響を与える能力」と定義される。集団の目標達成は、そのメンバーの行動にかかっていることから、リーダーシップとは「集団のメンバーが目標達成に結び付く行動を促していく能力」といえるだろう。