RWJバルナバ・ヘルスは、ニュージャージ州で最大かつ最も包括的な医療システムで、9つの郡の500万人にサービスを提供し、救急病院も11施設ある。
大規模な病院や医療システムの大半がそうであるように、患者がICUに入ると現場の緩和ケアチームは、患者が延命治療を望むのかどうかをICU担当医が把握する支援に当たる。私たちはパンデミックの間も、これを継続した。その頻度は通常よりはるかに多かったが。
流行の初期、システム全体で24時間の緩和ケアホットラインを開設した。これは現場の医療チームによる複雑な症状の管理やコミュニケーションのニーズに対し、ガイダンスを提供する追加のツールという位置づけだった。
ところが、医師たちは、特に家族とのコミュニケーションに関して、実際的な支援ほどにアドバイスを必要としていないことがすぐに明らかになった。パンデミックへの対応に追われ、現場の医師はこうした難しい会話を行う時間がほとんどなかったのだ。
そこで私たちは、患者の家族に電話をかけ、患者の重篤な状態や、治療に関する希望について話し合う支援を提供するチームを結成した。医療界で「ケアの目標(goals of care)」と呼ばれるものだ。
重篤な病気について率直に話し合うことは、優れた医療の証だ。私たちは皆、日々行うべきである。
しかし、最良の状況でも障壁がある。誰も死や不快なことについて話したいとは思わないし、希望を奪うと思われたくない。関与した臨床医全員が助かる見込みがないとはっきりわかっていても、医師が私に「私の患者はまだ、これを聞かされる準備ができていない」と言うことは珍しくない。
私たちは患者とその家族のことを、もっと認める必要がある。パンデミックの状況下では、なおのことだ(先の患者の妻は、ニュースを見て私からの電話の準備ができていた)。重篤な病気についての率直な話し合いを避けることは、患者の家族が別れに対処する妨げとなる。





