
在宅勤務やリモートワークの導入が進んだことで、仕事の生産性を高めている人は多いだろう。しかし、女性に関しては、必ずしもそうとは言えない。男性が自由な働き方を謳歌する一方で、女性の家事の負担は増えている。また、男性中心の文化が根強い組織では、これまで以上に重要な仕事や会議から外されやすいという事態も見られる。新しい働き方でいっそう顕在化したジェンダー不平等に対して、リーダーは何をすべきなのか。
新型コロナウイルス感染症は、在宅勤務対する見方を変えることにより、私たちの仕事のやり方を永遠に変えたのかもしれない。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の最近の調査によると、コロナ禍前に採用された人の半分が現在、リモートワークをしている。在宅でも優れた仕事が可能であり、かつてはバーチャルでできるなどと誰も想像できなかった職種でも、生産性が上がることを企業エグゼクティブが目の当たりにするに従い、リモートワークを無期限に認めると発表する企業が増えている。フェイスブックやツイッターも例外ではない。
このような柔軟な仕事のやり方は、女性にとって大きなイコライザー(平等をもたらす装置)になると思うかもしれない。このトレンドは、在宅勤務のスティグマ(負の烙印)を取り除き、通勤時間をなくし、「対面」でのコミュニケーションが重要だという思い込み(それが就業時間を長くする)を一掃することにより、女性が子育て期間中もフルタイムの仕事を維持し、キャリアを中断せずに済むようにすると期待している。
それが夢ではないことを示唆する証拠もある。柔軟な就業形態は、出産後も労働時間を確保し、比較的ストレスフルだが給料のよい仕事を維持できるようにすることを、複数の研究が示してきた。
しかし、勝利を宣言する前に、3つの潜在的な罠を考慮に入れる必要がある。