Illustration by Joanna Ławniczak

新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、同じ場所に集まってブレインストーミングをすることは難しくなった。しかし、自分の力だけで解決できる問題は限られており、問題が複雑になるほど集合知が必要である。本稿では、リモート環境で効果的なブレストを実施するための3つのアプローチを紹介する。


 新型コロナウイルス感染症の時代、同じ場所で一緒に仕事をする機会は減少したが、アイデアを生み出すために力を合わせなければならないことに変わりはない。幸い、リモート環境にあっても、複雑な問題を解決するための効果的なアプローチがいくつかある。

 ●リーチを広げる

 新たな問題解決策を話し合うときに忘れてならないのは、その手段として、関係者の頭の中の集合知を活用しようとしているということだ。各人は、提示された課題(問いかけ)に反応する形で自分の記憶を呼び覚まし、関連する情報を脳内から引き出す。そのため、ブレインストームの参加者選びは非常に重要だ。

 パンデミック以前は、日程やロケーションの問題で、多様なメンバーを揃えることが難しい場合が多かった。また、対面会議が当たり前だったので、出席できない人にアイデアの創出に関わってもらうことは少なかった。集まれる人だけが集まり、それ以外の人はオンラインで参加するという会議のやり方では、リモートの出席者が散々な目に遭うこともわかっていた。

 リモートで働く利点の一つは、多様な参加者を会議に呼べるようになったことだ。ただし、慎重に事を運ぶ必要がある。ブレインストームに参加してほしい人を考えることから始めるべきではない。どのような役割や専門知識が欲しいかをはっきりさせ、そのうえで条件に合った人物を探すことだ。

 適任者を知らなければ、同僚などに声をかけて適切な人を紹介してもらうとよいだろう。これをやることにより、異なるバックグラウンドや視点を持つ多彩な人々を確実に集め、問題解決に当たることができる。