●まず優先順位をつける
親は優先順位をつける名人だが、不確実性が高いときは、それを守ることが非常に重要である。
まず、あなたの家庭の重点事項をすべて書き出してみよう(とりあえず向こう3カ月でよい)。そのうえで、絶対に譲れない事項を3つ選ぼう。もちろん、それ以外の項目が重要でないというわけではない。しかし、トップ3項目が危うくなった時は、それ以外の項目を必ず後回しにしなければならない。
たとえば、ハイリスクの祖父母の近くに住む一人親は、こうした拡大家族の健康と自身の雇用、そして家族の社会的・情緒的健康をトップ3項目に選ぶかもしれない。親が共働きで、小学生の子どもを持つ家庭は、家族の関係、ロジスティクス、そして両親の雇用維持を優先するかもしれない。稼ぎ手が一人で、ハイリスクの子どもがいる家庭は、教育、健康、そして親の仕事を最優先するかもしれない。
このように一言でチャイルドケアが必要といっても、何を優先するかが、どんな選択肢を探るかの手掛かりとなる。優先事項には、次のような要素が含まれる可能性がある。
・祖父母などの拡大家族
・パートナーや子どもとの関係
・教育と習い事
・身体的な健康
・社会的/情緒的健康、およびメンタルヘルス
・友人との交流
・キャリア
・経済的安定
●優先事項それぞれに対して選択肢を探る
自分の家庭の最大の優先事項を見極めたら、それぞれを最大化する3つの選択肢(プランA、プランB、プランC)を考えよう。
プランAは、すべてが計画通りに進んだ場合の理想的なオプションだ。プランBは、シッターが病気になる、子どもが予期せぬ怪我をする、予定調整がうまくいかないなど、想像することが容易な理由によってプランAが破綻した際のバックアップである。プランCは、AとBがうまくいかなくなった時に備えた抜本的なセーフティネットだ。
3つのプランを立てる時は、自分の家庭の優先事項によって選択肢が変わることに留意しよう。たとえば、前述の一人親のように、祖父母など拡大家族の安全を優先する場合は、日常生活に拡大家族を含めたり、リモート学習を選択したり、拡大家族の近くに引っ越したりすることが選択肢になりうる。
自分のキャリアを優先する場合、チャイルドケアが不安定では困る。そうなると、住み込みのベビーシッターを雇ったり、似たような状況に置かれている2~3つの家庭と協力して不測の事態を乗り切る手配をしたりする、という選択肢がありうるだろう。
子どもの教育を優先するならば、少しばかり家計を修正して家庭教師を雇い、学習のサポートをしてもらったり、思い切って1週間は冒険や探索を通じた学習を提供してもらったりする方法もありうる。
まずは何を優先するかを決め、そのためのプランを練ること。それは理想的なプランとバックアッププラン、そしてセーフティネットの3つだ。