●計画を実行に移す。ただし、十分な余裕を持つこと
優先事項と選択肢が明確になったら、それを支援してくれる人を確保し、具体的に1週間の計画を立てよう。その計画のポイントを、フルタイムやパートタイムのシッター、手伝ってくれる近隣住民、あるいは近隣の父兄など、生活に関わる人たちに伝えよう。
具体的な計画を定めたら、それを効率よく実行しよう。
筆者らの研究では、不確実性が高いほど、先を見越した計画を練ることの利点が大きい。日曜日の夜に10分ほど時間をかけて1週間の計画を練るだけで、見落としが減り、やっかいな問題を予測し、総じて家族の結束や協力意識が芽生えることがわかっている。これをやることで、連日調査したり議論したり決断したりする時間を約20分間節約できることもわかった。1カ月にして10時間の節約になる。
まずは、パートナーと毎週恒例のミーティングを持つ時間を決めよう(日曜日の夜、子どもたちが寝たあとが一番多いようだ)。そのうえで、このガイドを活用して6つの重要ポイントをチェックしよう。
(1)スケジュールチェック:仕事のミーティングや集中が必要な案件への対応など、仕事を優先すべき時間を明らかにする。
(2)チャイルドケアのシフト作成:どちらがいつ学校やデイケアへの送り迎えをするか、リモート学習やチャイルドケアを担当するかを1週間分決める。
(3)食事の計画:平日に貴重な時間とエネルギーを節約するために、ランチと夕食を何にするか簡単にメモしておく(凝ったメニューにする必要はない)。
(4)重要な覚えておくべきこと:それ以外に、覚えておく必要があることを話し合っておく。
(5)家庭の重点事項:家事を5個以内の範囲で選び、分担し、スケジュールに加える。
(6)バックアップ計画:その週で最もやっかいな要素を話し合い、プランAがうまくいかなかっ場合、プランBやCに移行するタイミングを確認する。
入念に計画を立てても、予期せぬ問題は起こるものだ。そのため重要なのは完璧な計画を立てることではなく、あなたとパートナーが満足できるレベルの計画を立てることである。
家族がこれほど大きな不確実性を管理しながら、健康と学習、そして家族関係を維持する重要な決定を下すプレッシャーにさらされたことはない。
この長期戦を乗り越えるには、ありとあらゆる助けを借りて、不確実性を低下させ、各家庭のニーズにあった計画を練る必要がある。それが世界的なパンデミックのさなかであれ、働く親として迎える次の1週間であれ、変わりはない。
HBR.org原文:How to Plan Child Care in Uncertain Times, August 20, 2020.
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