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経験豊富な採用担当者であっても、履歴書だけで候補者の優劣を判断することは難しい。限られた時間で大量の書類を捌く必要もあり、出身大学というわかりやすい基準で選別することは多い。しかし、学歴と仕事のパフォーマンスは直結するのだろうか。筆者らが2万人以上を対象に実施した調査から、その実態が見えてきた。
多忙な人事マネジャーが、社内で空きが出たポジションに対する応募書類の山に目を通している。そのマネジャーは、従業員のパフォーマンスは多くの要因から決まることを知っている。経験、トレーニング、対人スキル、パーソナリティ、知能指数(IQ)、感情的知性(EI)、労働倫理などだ。
しかし、何百通もの履歴書に目を通すと、多くの人事マネジャーと同様、各応募者の詳細の区別がつきにくくなる。すると、雇用者の多くがそうするように、出身大学の評判やランクに基づいて採用する人材を選ぶ。
おそらくより優れた大学はより優れた学生を集め、より優れたトレーニングを提供しており、大学のランクを従業員パフォーマンスの判断材料にするのは理にかなっている。名門校出身者ほど初任給が高くなるのは、結局のところ、それが要因だ。
だが、それは優れた採用戦略だろうか。大学のランキングから仕事のパフォーマンスを予測できるのだろうか。筆者らの研究では、その予測が可能であることが示された。ただし、ある程度、だ。