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過去のイメージで見られ続けることへの苦悩
10年前、ターシャ(仮名)は、会社の7人目の社員として、医療ソフトウェアのスタートアップに最高営業責任者の事務アシスタントとして採用された。現在、彼女は部下8人、売上高2200万ドルの営業チームを管理するまでに成長した。先日、最高営業責任者が引退を発表した時、ターシャはその後任に選ばれることを期待していた。
ところがCEOは、社内に適任者がいないため、社外で後任を探すと宣言した。ターシャは傷つき、怒り、うすうす感じていた厳しい現実を思い知った。「いまの自分を評価してもらえていない」と。
ターシャのように勤続年数が長く、信頼も厚く、今後もその会社でキャリアを積みたいと考えているのに、昔の印象がネックになっていると感じている人は少なくない。筆者らがエグゼクティブコーチとして支援してきた中にも、貢献度が年々増しているのに、過去のイメージで見られ続けていることに悩むプロフェッショナルが多くいる。
本稿では、なぜこのようなことが起こるのか、そして何より、あなたがそのような社員だとしたら、どうすればよいのかを説明したい。
成長に気づきにくい理由
キャリアがアイデンティティのすべてになっている人に、誰でも会ったことがあるだろう。ところが、自分が周囲からどのような職業的アイデンティティで見られているかは、自覚していない場合が多い。実際のところ、周囲も認識しているとは限らないのだ。