
働く親が転職するにあたっては、キャリアのプラスになるだけでなく、自分が求めているワークライフが実現できる会社を探す。ただし、候補先が仕事と家庭の両立を支援するファミリーフレンドリーな会社かどうかを見極めるには、面接の前から入念なリサーチを始めることが欠かせない。自分が何を大事にしたいかを明確にし、オンラインでの情報収集に加え、個人のネットワークを駆使して内情を探るなど、転職先でのワークライフを具体的にイメージし、自分のニーズに合った会社か判断するための方法を提示する。
働く親が転職を考える場合、その仕事が自身のキャリアにとってチャンスになるかどうかだけで転職先を選ぶことはないだろう。いまの会社よりも、仕事と家庭の両立を支援してくれるファミリーフレンドリーな会社を探したいはずだ。
もしそうならば、入社を決める前に、転職先でのワークライフをきちんとイメージしておくことが必要になる。育児中の社員に対してこれまでどのように支援してきたかがわかれば、その会社の対応や組織文化が自分のニーズや期待と一致しているかどうかを判断する助けになる。
転職先を探す前に、まず自分が何を求めているかを明確にしておこう。そのレンズを通して見ていくと、自分が求めているチャンスとライフスタイルを与えてくれる会社かどうか見分けられるようになる。
家族のためにこれだけは守りたいと思っていることで、実際の勤務に影響する可能性のあることは何かを考えてみる。たとえば、毎晩家族揃って夕食をとる、子どものサッカーチームのコーチを務める、在宅で学校の勉強を見てあげるなど、それぞれ大切にしていることがあるだろう。
どのような待遇や福利厚生が必要か、それが自分や家族にとってどの程度重要かを考えよう。これまでの勤務先では何が不満だったのか振り返り、足りなかったものを明らかにする。また、働く親としての現時点でベストのシナリオと、子どもが成長したり家族が増えたりすることを見越した将来の理想のシナリオを思い描くのもよいだろう。
次に、転職先の候補が見つかり、面接が決まったら、下調べに入る。いまは面接もリモートになり、職場の雰囲気を直接見ることができないため、できることは限られていると思うかもしれない。だが、面接の場で数多くの質問を投げかけるだけでなく、次に紹介する方法によって、自分に合った会社を見つけるための情報をたくさん集められる。