Illustration by Tracy Walker

あなたの主張を他人に受け入れてもらいたければ、その人物をよく知ることが大きな価値を持つ。その人の思考や判断の基準を理解することで、相手が望むスタイルでメッセージを発信できるからだ。論理的な話を好む人に、情緒的な主張を展開しても響かない。本稿では、「言語的ミラーリング」の有効性を示し、それを効果的に実践する4つのポイントを紹介する。


 大口顧客に売り込みをするにせよ、自社の幹部にプレゼンテーションをするにせよ、裁判官を説得するにせよ、あなたの主張に評価を下す人物との間に強力な関係を築けていれば、説得がうまくいく可能性が大幅に高まる。

 なぜ、そのようなことが起きるのか。筆者らが最近行った研究によると(『アドミニストラティブ・サイエンス・クォータリー』誌に掲載)、すでに相手との人間関係があれば、その人物がどのように思考し、判断を下し、物事を解釈し、データを分析するかを理解しやすい。その結果、筆者らが言う「言語的ミラーリング」を実践して、その相手に合わせたメッセージを発信できる。