
自分の趣味や健康のために時間を使おうと思っても、やることが多すぎて、そんなことを考える余裕はない。あなたも忙しい毎日を理由に言い訳してはいないだろうか。仕事が一段落したら、子どもが大きくなったら、家の片付けが終わったらと待っていても、その日は来ない。まずは立ち止まって、自分のニーズを見極めるところから始めよう。どれだけ忙しくても、自分を犠牲にする必要はない。本稿では、常にスイッチが入っている状態から、自分自身のケアのために時間を捻出する5つのステップを紹介する。
あまりにも忙しすぎて、自分のことなど何もできないどころか、考える余裕すらないと感じてはいないだろうか。もしかしたら、常に仕事のことを考えているか、24時間365日戦える態勢でいなければ、自分自身や自分の価値を証明できないと不安に思っているかもしれない(リモートで仕事をしていれば、特にそうだ)。
おそらくは、子育てや親の介護、ペットの世話といった家族の面倒で息つく間もない。あるいは、請求書の支払いや家の掃除といった日常生活の「タスク」に忙殺されているかもしれない。
このように、常にスイッチが入っている「オールウェイズオン」の状態にある場合、どうすれば自分自身、自分の健康、自分のニーズに使う時間を捻出できるだろうか。
最初のステップは、立ち止まり、深呼吸し、自分が世界のすべてを背負っているわけではないと認識する。たいていの場合、頼めば周りの人がもっと助けてくれるはずだ。仕事でもプライベートでも、もっと負担を分配する。時には自分のやるべきことが完璧に、あるいはまったくできなかったとしても、気にすることなく、何とかなると信じることも必要だ。
次のステップは、いますぐ自分のケアをすることを、みずから許可する。仕事が落ち着いたら、子どもがまた通学できるようになったら、家が片付いたらというように、状況がよくなったらセルフケアをしようと思っていると、いつまで経ってもその日は来ない。家や仕事ですべきことが無限にあるように感じる時でも、立ち止まって、以下のステップを踏めば、自分をケアできるようになる。
●自分のニーズを知る
健康や幸福に対するニーズは人それぞれだが、普遍の真理というものもある。睡眠、運動、食事という基本的な欲求は誰もが持っている。そして力強く生きていくには、ほとんどの場合で、人との充実した時間、自然の中で過ごす時間、自分の精神と向き合う時間、喜びを感じることを行う時間を必要とする。
少し時間を取って、自分が何を必要とし、求めているかを明確にする。そのためには、次のように自問するのがよい。
・1日を通じて、注意力を維持するために必要な睡眠時間
・痛みのない、健やかな状態を維持するために必要な運動
・エネルギーと満足感を維持するために必要な食事
・一緒に時間を過ごして楽しい人々
・外に出るきっかけ
・自分自身と向き合い、精神統一する方法
・喜びを感じる活動(趣味、読書、ボランティア活動など)
自分のニーズは正当なものであり、それに対して弁解の必要はない。それに、どれほど生活が充実していようと、欲求があって然るべきだ。