最前線のスタッフを
いかに支援するか

 調査によると、従業員のバーンアウト(燃え尽き症候群)は個人の問題であると同時に組織の問題でもある。これを管理することは、世界がパンデミックに見舞われていない時期ですら十分に難しい。しかし従業員が現在進行形の危機の最前線に立っているいま、どうすれば彼らを極度の疲労や生産性の低下から守れるだろうか。

 ボストンにあるマサチューセッツ総合病院(MGH)の救急診療科のリーダーである我々は、パンデミック期に患者のケアに当たった臨床医、看護師、管理サポートスタッフたちを支援してきた。我々は複数の病院でバーンアウトに対処してきた経験と、新型コロナウイルス感染症危機のとてつもない深刻さを踏まえて、燃え尽きが重大なリスクであることを認識した。

 そこで我々が知りえたことを取り入れて、パンデミック期に特化したスタッフ保護の戦略を策定した。さらに、我々の施策がスタッフの幸福度に与えた影響を詳しく理解するために、救急科(ED)の指導医60人を対象とした匿名調査を実施した(今後、他のスタッフについても調査結果を検証する予定である)。