●期待を明確にする
誤った思い込みや誤解を避けるために、上司や同僚、ステークホルダーに対し、コミュニケーションのスタイルや意思決定の方法、さらには対立や意見の違いの処理の仕方といった微妙なことについても、先を見越して期待を設定しよう。
たとえば、あるプロジェクトについて、同僚との意見交換のタイミングや方法に合意したとする。相手は非常に慎重で、細部にこだわる人だとわかる。また、現時点ではきめ細かな意見を求めていることでも同意する。
こうしてすでに期待を調整していれば、自分は何か間違ったことをしたのではないかと決めつけたり、赤線がたくさん引かれた文書が返ってきた時に、相手が自分を打ち負かそうとしているのではないかと考えたりすることがない。
期待を明確にするのに役立つものの一つが、前向きな協働のためのガイドライン(メッセージには24時間以内に返信する、先入観を持たずに話を聞く、自分の意見を述べるなど)を明記したチームルールのリストだ。あるいは自分の勤務時間や学習方法、苦手なことなどをまとめた「ユーザーマニュアル」を作成するのもよい。
●すべて自分でやろうとしない
パラノイアは、人を喜ばせ、自分を無理させることにつながる。関わり合い、情報を得ようとするあまり、参加する必要がない会議も含め、すべての会議を断らなくなるかもしれない。
また、自分が主導権を握っているという幻想を維持するため、取り組みに過剰に参加することもあるだろう。自分がどこにでも顔を出せば、誰も自分の見えないところで何かをすることははないからだ。
しかし、このような考え方は確実にバーンアウト(燃え尽き症候群)につながる。
そうした状況に陥らないようにするためにまずすべきは、自分のスケジュールを確認することだ。欠席、あるいはキャンセルできる会議を探し、部下や協力者に代わりに出席してもらい、メモを取って報告してもらうことを検討する。
このようにしてつながりを断つのは、不安を感じるはずだ。それを感じたのなら、曖昧さへの耐性が高まり、不安との関係性を変えるための正しい方向に向かっているということだ。