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ハイブリッドワークの導入に向けて試行錯誤が続けられる中、会議の運営方法にも新たな課題が生じている。オフィスに出社している参加者とリモートでの参加者が混在するハイブリッド会議をどう導けばよいか、だ。これまでは対面であれば全員が会議室に集まり、パンデミック下では全員がバーチャルで会議に参加していた。だが、ハイブリッド会議がこれらに比べて格段に複雑になるのは、リモートでは同等の立場で参加するのが難しいからだ。本稿では、リモート参加者が会議室にいる参加者と変わらぬ条件で会議に臨み、ハイブリッド会議をより効果的に運営するための8つのベストプラクティスを紹介する。


 マッキンゼー・アンド・カンパニーの最近の調査によれば、新型コロナウイルス感染症拡大防止の制限が緩和されるのに伴い、90%の組織が何らかの形で、リモート勤務とオフィス勤務を組み合わせた勤務形態を採用することが見込まれている。

 この新たなハイブリッドモデルによって、会議の運営方法は劇的に変化するだろう。ニューノーマルの環境下では、会議室にいる参加者とリモートでの参加者が混在するハイブリッド会議は必然となるはずだ。

 とはいえ、単に会議室のテーブル上の設置したスピーカーホンを使っていた世界に戻ることはない。その昔、電話越しに参加していた人は懸命に耳を澄まし、いざ話そうとしても別の誰かが同時に話し始めて機会を失い、会議室にいる同僚にしか見えないスクリーン上のパワーポイントに何が書かれているかを推測するしか方法はなかった。

 マイクロソフトCEOのサティア・ナデラが最近述べた通り、「我々は、リモートで参加する人たちも常に同等の立場で参加できるようにしたい」のだ。

 しかし、ハイブリッド会議は対面の会議やバーチャル会議と比べて、格段に複雑である。ハイブリッド会議の運営は失敗するのは簡単だが、成功させるのは難しい。ほんの些細な不手際で、リモートでは同等の立場で参加できなくなる。

 この1年間で、エグゼクティブはバーチャル会議を上手に運営する方法を学んだ。それと同様に今度は、ハイブリッド会議の上手な運営方法を学習する必要がある。

 筆者らには、エグゼクティブチームの会議や取締役会の設計および運営を支援した経験が合わせて50年ある。この経験をもとに、ハイブリッド会議をより効果的に運営するための8つのベストプラクティスを紹介しよう。