今回は、事業の「稼ぐ力」を高めていく際に、機能スキルにおいても重要となるデジタルやアナリティクスについて解説する。デジタルやアナリティクスの本質を理解し、おもに稼ぐ力を高めていくためにどのように活用できるか。もちろん成長にとっても重要な分野であるが、まずは稼ぐ力を高めるために活用することが日本企業にとって喫緊の課題である。

デジタルとは? アナリティクスとは?

 第12回で説明してきた企業価値の創造につながる機能スキルについて、後進企業でも一気に最先端の水準にキャッチアップができる可能性があり、さらにその先にまで進める可能性をもたらすものが、デジタルとアナリティクスである。

 これまで、手作業(マニュアル)やその道に何十年という熟練者の勘と経験、そして場合によっては度胸に頼っていたものが、豊富なデータや、その解析技術や、それを支えるコンピューティングパワーによって、容易に成し遂げられるようになってきているのである(図表13-1「デジタルとアナリティクス」を参照)。