●働く父親のネットワークを構築する
自分の職場に既成のネットワークがなければ、みずからネットワークをつくる。消極的な父親でも入りやすいように、少なくとも最初のうちは、父親を対象としたネットワークにする。一般的な子育てコミュニティを敬遠する男性でも、父親同士であれば話がしやすいかもしれない。必要性を感じたら、方針はその時に変更すればよい。
職場をベースに、ますます多くの父親コミュニティがつくられるようになった。筆者らの「ダッド・コネクト」プログラムは、父親同士が組織の内外でつながりを築くことを目的としたものだが、このプログラムを通じて始まったコミュニティも数を増やしている。
同じ職場で働く父親に声をかけ、大切な父親業と仕事に関する問題について、非公式な場で一緒に話ができないか誘ってみよう。あまり時間や労力をかけすぎるべきではないので、まずは月1回、ランチタイムに集まるだけで十分だ。
社内のニュースレターでグループの活動について宣伝したり、掲示板にポスターを貼ったりしてもよいか、人事部門に聞いてみる。興味を示してくれた人のメーリングリストやスラックのグループを用意して、会合の前に毎回連絡を入れるようにしよう。
グループが確立されてきたら、役割を広げていく。シニアマネジメントチームのメンバーを招待し、会社がどのように「家族に優しい働き方」を推進しているか話してもらう。会合に社内の母親を招待したり、母親グループとつながりを持ったりする。ベストプラクティスの実例だけでなく、グループとしてどのような改革を望んでいるかも文書にまとめるのがよい。
会合と会合のあいだも定期的にメッセージを送り、グループに関わり続けてもらえるようにする。たとえば、「家族連れに優しいお薦めレストラン」や「この週末に4歳児と一緒にできる最善のこと」といった日常生活に役立つ情報を、メンバー同士でやり取りできるように促すことができる。
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これらのアイデアは、ほんの数例にすぎない。アライとともに何をするかは、あなた次第だ。公式の場であれ非公式の場であれ、また、対話の相手が父親であっても母親であっても、あるいはそれ以外の誰であっても、最も重要なのは議論を始めることだ。
働く父親を大事にする職場文化は、父親業と仕事に関して、より進歩的なビジョンに向かう第一歩だ。議論に加わる人が増えれば増えるほど、無視することは難しくなる。そうなれば、働く親すべてを真にサポートする文化を、より早く醸成することができる。
※本稿は、HBRワーキングペアレンツシリーズのAdvice for Working Dadsからの抜粋である。
"How Dads Can Build a Network of Parenting Allies at Work," HBR.org, August 26, 2021.