William Whitehurst/Getty Images

組織で高く評価されるのは、自信に満ちあふれる楽観主義者であることが多い。しかし、常に前向きな人物の存在が組織やチームに好影響をもたらすとは限らない。むしろ、従業員がポジティブ感情とネガティブ感情が共存する「感情的アンビバレンス」を抱いた時、それを安心して共有できる組織ほど、変化に柔軟に適応できる可能性がある。本稿では、リーダーが感情的アンビバレンスを共有しやすい職場をつくるための6つのヒントを紹介する。


 型コロナウイルス感染症のパンデミックで多くの人が活力を失っている中、「感情的アンビバレンス」と呼ばれる、より複雑な状態を経験している人もいる。これは、ある物事にポジティブ感情とネガティブ感情が同時に起こる状態で、自分が「揺れている」と感じるだろう。

 たとえば、多くの人がオフィスに戻ることに葛藤を覚えている。あるいはズーム会議で同僚に「調子はどう」と聞かれて、自分の本当の気持ちを考えた時、そのような感情を抱くかもしれない。パンデミックの長期化と、その特徴である不確実性に直面し、多くの人が人生で最も複雑な感情を経験している。