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職場で泣いてしまった経験がないだろうか。不安や不満を感じたり、仕事に情熱を注いだりしているからこそ、相手から思いも寄らぬ言葉を投げかけられると感情が爆発し、涙が流れる。そして涙が止まれば、感情的な対応をした自分を恥ずかしく思い、同僚からどのような目で見られているか、仕事上の地位が脅かされるのではないかと不安を抱く。職場で感情がつきまとうのは自然なことだ。ただし、その影響を最小限に留めることが肝要である。本稿では、職場で涙を流した後に、プロフェッショナルとして力強く立ち直る方法を紹介する。


「大丈夫ですか」と、見知らぬ女性がマンハッタンのオフィスの外にいた私の肩を叩き、顔をのぞき込んだ。私は濡れて赤くなった頬のまま彼女を見上げ、涙をぬぐった。

 数分前まで、私はチームミーティングに参加していた。上司に侮蔑的なコメントを放たれ、私のこれまでの経験や研修の成果をないものも同然にした。彼の言葉に私は打ちのめされた。その発言は、膨大な仕事量にすでに押しつぶされかけていた私にとって、最後の一撃となった。

 その場でとっさに反論して自分の意見を主張したかったが、声はかすれ、喉が詰まった。涙をこらえ、「失礼します」という一言を絞り出すと、会議室を飛び出した。同僚の目を逃れたい一心だった。

 当時の私は、そのような反応したことを深く後悔し、恥じた。その時は知らなかったのだが、プロフェッショナルの45%は、私と同じように職場で泣いた経験がある。また、私のようにとても敏感な「ハイリー・センシティブ・パーソン」(HSP)も20%いる。HPSとは、感受性が非常に強く、繊細で敏感な気質を持った人を指す言葉だ。

 何十年にもわたる研究から、敏感であることは、人として弱いわけではないことが証明されている。むしろ、そのような特性は、脳の中で感情や自己認識、経験の鮮明度を司る領域において、より多くの情報処理が行われていることと関連している。

 あなたが職場で泣いたのは、業績評価が期待通りではなかった時かもしれないし、家族の一員に関する悪い知らせを聞いた時かもしれない。涙を流すことは喪失や悲しみと結びつくのが典型だが、怒りに対する反応でもある。不満や不安を感じたり、仕事に深い情熱を持っていたり、力を注いでいたりする場合にも、多くの人が涙を流す。

 私はこの1年の間、コーチングを担当している多くのクライアントから、職場で泣いた後に立ち直る方法を尋ねられた。驚くことではないだろう。誰もが以前よりも大きなストレスを感じ、燃え尽きる人の割合は記録的に高くなっている。

 その結果、チームメンバーがリモートで分散して働いていたとしても、感情が高まって涙を流す可能性が高まっている。オフィスに出社して働いていた時はトイレに駆け込んで泣いていたように、いまは自分の気持ちを立て直すためにオンライン会議でカメラをオフにするのだ。

 職場で泣いた経験が一度でもあるならば、それを恥ずかしいと感じる気持ちを理解できるだろう。同僚にどう思われるかを心配し、自分の感情を爆発させたことがプロフェショナルとしての地位を脅かすかもしれないと不安を抱く。女性の場合は、特にそうだろう。

 では、職場で泣いたことが及ぼす影響を最小限に留め、自分の評判に傷がつかないようにするには、どうすればよいのか。プロ意識を持ち、力強く立ち直る方法を以下に紹介しよう。