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経済社会が大きな変化を遂げるたび、新しいリーダーシップスタイルが求められるは当然のことだろう。しかし、伝統型のアプローチを置き換えれば済むほど、話は単純ではない。不確実性がますます高まる時代には、新興型のアプローチを絶対的な模範とするのではなく、伝統型と新興型のアプローチの間にある「7つの緊張関係」に着目し、それぞれの最適なバランスを見出すことが重要となる。


 変化が速く、予測不可能な世界に対応するには、リーダーシップに新たなアプローチが必要だと指摘されることが多い。昔ながらの指揮統制型のスタイルは時代遅れで、アジリティが高く、コラボレーション志向の強い新たなアプローチが不可欠だと考えられているのだ。

 しかし、今日のリーダーを取り巻く現実は「古きを捨て、新しきを取り入れよ」という言葉に集約できるほど単純ではない。たとえば、トップダウン型の意思決定や戦術遂行重視のアプローチをはじめとするリーダーシップスタイルは、ある側面では時代遅れに思えたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックがもたらした不確実性の中では極めて有効だった。