コーチ・ユアセルフ・クエスチョン(CYQ)
本質を突くようなコーチングの質問を自分に投げかけることで、みずからの思考が解き放たれ、ポジティブな進歩を遂げるために何をすべきかが見極められるようになる。優れたコーチ・ユアセルフ・クエスチョン(CYQ)、すなわち、あなた自身をコーチングするための質問の条件には、以下の3つの「O」を満たすことが欠かせない。
●オープンな質問(Open)
CYQは、「はい」か「いいえ」で答える閉じた質問ではなく、5W1Hで始める。たとえば、自分の中で「私は、この仕事を楽しんでいるか」と閉じた質問をしていることに気づいたら、「私は、この仕事の『何』を楽しいと思っているか」というようにオープンな質問に変えて、自分に問い直す。そうすれば、より多くの気づきを得られるはずだ。
●当事者意識(Ownership)
CYQでは、当事者意識を持つことが重要であり、常に「私」を主語とする。「あの人はどうして、私より早く進歩しているのか」ではなく、「私はどうすれば、自分の進歩を加速できるのか」と問うのだ。
セルフコーチングを行いながら、自分が他者や外的要因のせいにしていることに気づいたなら、それは「自分でコントロールできることに意識を向け直すべき」というシグナルだ。自分自身の行動を見極めることができれば、変わろうとする気持ちがいっそう強くなるだろう。
●一問一答(One at a Time)
同時に複数の質問を重ねるのは避けよう。「なぜ私は締め切りを守れず、時間に追われているように感じるのか」と自問するのではなく、まず「なぜ私は締め切りを守れないのか」、次に「なぜ私は時間に追われているように感じるのか」と、個々の質問に順番に答えていく。このような一問一答は、コーチングのアプローチの一環として、より多くの選択肢や行動を生み出すことにつながる。
最初に使える5つのCYQを紹介しよう。
1. 仕事で最もやる気を与えてくれるものは何か。
2. 自分の能力や決断に対する自信が、むしろ妨げになるのはどのような時か。
3. フィードバックを得る頻度を上げるには、どのようにすればよいか。
4. 私のキャリアに関する課題に、別の視点をもたらしてくれる人は誰か。
5. いま実現していないことで、1年後に実現したいことは何か。