自己認識
自己認識のレベルを高めるには、自分が何者であるかを明確に理解し、他者からどのように見えているかを把握することが必要になる。自己認識は何の気なしに生じるものではなく、意識的に行うものだ。ここでは日常に取り入れたい、自己認識を高めるための2つの方法を紹介する。
●マインドマップを5分間実践する
やることリストの中で、自分自身について集中して考える時間が上位に入ることは、まずないだろう。とはいえ、自分の行動が自分自身の価値観や信念にどのように左右されているのかを認識できるようになると、これから何かを選択する際に、より意識的に選べるようになる。
キャリア上の課題が見つかった時、自分がどのような反応を示すのかを素早く把握するには、5分間のマインドマッピングが助けになる。
具体的には、最初にページの中央に課題を書き、次にその課題の「何」「誰」「いつ」、そして「なぜ」に関して、あなたが思うことをすべて書き出していく。そこでは、どのような気づきを得られるだろうか。たとえば、職場の人間関係に悩んでいる場合、「人に好かれたい」という自分の欲求(「なぜ」の洞察)について省みたり、「自分が苦手な人は、たまたま自分とは仕事のやり方が違うだけだ」(「誰」の洞察)という結論に達したりするかもしれない。
この作業を定期的に行うほど、自分の思考パターンに気づき、それが職場においてよいほうに働く場合と悪いほうに働く場合があることがわかるだろう。セルフコーチングのスキルが身に付くにつれ、このような自己認識が目の前の壁を乗り越える助けになるはずだ。
●「どう見られたいか」と「どう見られているか」のギャップを理解する
解消すべき自己認識のギャップを見つけるには、職場で「自分がどう思われたいか」と「自分がどのように見られているか」が一致しているかを確認する必要がある。
自分自身でその答えを見出すには、1週間の中で「自分がどう思われたいか」がはっきりとわかっている重要な場面を3つ選ぶ。次に、それぞれの場面で、自分がどう見られたいかを一言にまとめる。たとえば、プレゼンテーションでは「信頼できる人」、チームミーティングでは「協調性のある人」に見られたいといった具合だ。
そして、実際にそれぞれの場面を終えた後、少なくとも一人の関係者に、その人から見たあなたの印象を一言で表現してもらう。たとえば、「今日の会議での私の取り組み姿勢を一言でまとめると、どのようなものになるでしょうか」「プレゼンテーションの私の印象を一言で表すと、どのような言葉になりますか」などと質問するのがよい。
自分の印象に関する周囲からのフィードバックと自分の真意とを比較することで、自己認識が一致しているか、あるいは両者の間にはギャップが存在する可能性があり、そこに成長の機会が存在しているかがわかるだろう。