(4)会社がいま取り組んでいないことで、やるべきだと思うことは何か

 最高のマネジャーは、オープンな対話を促進し、従業員の意見や提案に対して率直なフィードバックを行い、優れたアイデアを支持し、実現不可能なアイデアに対処することで、従業員の意見が重要であることを彼らに伝える。

 個々のチームメンバーに、会社が改善できる活動は何か、会社が見落としている可能性がある市場機会は何か、会社のリソースをより効果的に活用するにはどうしたらよいかを尋ねることで、彼らの考えが重要であると示すことができる。

 次のような質問もできる。「会社の現在の在宅勤務やハイブリッドワークの方針に満足しているか。満足していないなら、何を変えるべきだと思うか。リモートワークの際、同僚とのコミュニケーションに使用しているツールに、どの程度満足しているか」

(5)自分の強みを活かす機会が毎日あるか

 マーケティングの仕事をしていたサラが主に取り組んでいたのは、データ分析だった。顧客の利活用データを分析する方法を学んだものの、それが自分の強みであると思ったことはなかった。

 新しい仕事では、自分が喜びを覚え、得意とするブランディングやオーディエンスの獲得に集中することができる。この点でも元雇用主は、サラが新しい会社と彼女の優れた才能を結びつけようとする前に、その才能を最大限に活かす機会を逃してしまったのだ。

 従業員が自分の強みに集中できているかどうかを判断するために、こう質問しよう。「あなたの仕事の一番よいところは何か。いまの役割で活用できていない、あなたの能力は何か。可能ならばなくしたい仕事は何か」

 マネジャーがこの5つの質問を含むチェックインを従業員と定期的に行うことで、従業員は自分が見られている、評価されていると感じることができる。そして、マネジャーが個々のチームメンバーにそう感じさせることができれば、どれだけ会社に留まるかにかかわらず、部署や組織の支持者となった従業員から恩恵を得る可能性が高まる。


"5 Questions Every Manager Needs to Ask Their Direct Reports," HBR.org, January 21, 2022.