(1)この組織でどのように成長したいか
キャリア開発は、ギャラップの調査で示された要素の中でも最も重要であり、階層に関係なく3分の2の人が、キャリア開発の機会がないことを理由に退職している。
このことを念頭に置き、スポンサーシップ、コーチング、メンタリング、ビジビリティ(可視性)、挑戦的な仕事の割り当てといった、各従業員に最適な能力開発を実現するうえで、どのような機会が必要かを把握することが重要だ。
その答えを導き出すために、「(存在するかどうかは別にして)どのような役割を果たしたいか、この会社であなたの成長をうながすために、自分は上司として何ができるか」と聞くこともできる。
(2)仕事に目的意識を持てているか
サラは、退職した金融サービス会社で働いていた5年間、自分の仕事が人々の生活に有意義な影響を与えていると感じたことがなかった。
そして、金融サービスを十分に受けていない人たちに、アクセシビリティとアフォーダビリティの向上を目指すフィンテック企業に加わることで、自分のマーケティング活動が、資本へのアクセスを必要とする人々の生活に変化をもたらすことができると期待した。
サラの元雇用主とマネジャーは、マーケティングが果たす役割に対して、彼女が抱いている情熱と目的意識を活用する機会を逃してしまったのだ。
マネジャーは、従業員が自分の役割は組織の広範なミッションにどう貢献しているかを理解するうえで、重要な役割を果たすことができる。しかし、従業員に目的意識を持たせるためには、それに留まらず、彼らが仕事で何を目的としているかを把握し、彼ら自身の価値観と結び付ける必要がある。
(3)あなたが最高の仕事をするために、私に何をしてほしいか
有能なマネジャーは従業員を尊重し、彼らに気を配っている。従業員を個人として理解し、彼らの成果を認め、パフォーマンスについて話し合い、正式な評価を行っているのだ。このような支援行動が、従業員が安心して新しいアイデアを試し、情報を共有して、開発の機会を模索し、互いにサポートし合える職場環境をつくる。
従業員が最高の仕事をするうえで何が必要かを知るために、次のように質問することも可能だ。「あなたの最大のフラストレーションは何か、それに対処するために私は何ができるか。あなたが私に伝えようとしていることで、私が耳を傾けていなかったことは何か。あなたはどのように認められたいか」