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リモートワークとオフィスワークを併用するハイブリッドワークへの移行が着実に進行しているにもかかわらず、ほとんどの企業がオフィススペースを縮小していない。筆者らの調査により、3つの理由があることが判明した。


 筆者らが米国の労働者5000人と雇用主500人を対象に毎月実施している調査と、マネジャーとの数多くの対話から、オフィスワーカーやナレッジワーカーがハイブリッドワークへと大きく移行していることは明らかだ。週3日はオフィス勤務、2日は在宅勤務というのが新たな常識になりつつあり、出社日数は30%以上も少なくなっている。

 それによって、オフィススペースの需要が大幅に減少すると思うかもしれない。しかし、筆者らの調査データによると、オフィススペースの縮小は平均して1~2%で、スペースではなく人の密集度が大幅に低下していることを示している。これには3つの理由がある。

 第1に、密集度が高いオフィスは不快だ。働く人の多くは、自分のデスクの周りに人が集まることを嫌い、感染症のリスクが最も懸念されている現在はなおさらだ。密集状態に対する不快感は、ロビーやキッチン、食堂、そしてエレベーターにも及ぶ。

 密集度を下げる唯一の確実な方法は、面積をさほど減らさずに出社日数を減らすことだ。筆者らの調査によれば、密集状態に対する不快感は今後も続くと見られる。