●まず睡眠を取ることから始める
疲労が極限の状態にある時、生産性を向上させるカギは、さらに頑張ることではなく、頑張らないことだ。十分な睡眠を取ることが習慣になると、身体はあなたの足を引っ張るのではなく、日々の目標を達成できるよう支えてくれるだろう。
疲労が溜まっている時の睡眠の習慣づけについて、筆者はある具体的な手順を推奨している。まず休息に必要な睡眠時間を基準にして、就寝時間を早める。もし8時間の睡眠が必要で、午前7時に起床しなければならないのなら、午後11時に消灯する。スマートフォンのリピートアラームを消灯の30分か45分前ぐらいの時刻に設定し、それを合図に、徐々にリラックスして眠りにつく準備に入る。
早めにベッドに入ることが身についたら、すみやかに入眠できるよう就寝前のルーティンを定める。就寝1時間前に電子機器を消す、夜遅くに刺激の強い番組等を見ない、単純に照明を暗くするなど、いろいろな方法を試してほしい。
睡眠の質を高めるための次のステップは、いつも同じ時間に起きることだ。ほとんどの人はそれを最初のステップにするが、実は後にしたほうがよい。
筆者がこの順序を推奨するのは、時間通りにベッドに入り、すぐ眠りにつけるようになれば、起きることがずっと簡単になるからだ。さらに付け加えるなら、いつも早起きしていれば、出社しなければならない日も苦労しない。
●栄養について考える
休息の時間を十分に取ると、他の領域の物事に取り組む余裕が出てくる。エネルギーを回復するために、睡眠の次に有効な習慣は、栄養補給に関してシンプルな戦略を実行することだ。
効果的な習慣の一つは、もっと水を飲むことである。水の摂取量が増えると、エネルギーが高まり、集中力が増し、疲労や不安が低減する。水の入ったコップか水筒を常にそばに置く習慣をつけよう。筆者は朝食時にコップに水を入れ、仕事中はデスクの上に置いて、飲むたびに補充する。補充が大変ならば、大きな水筒を用意して1日1回、満タンにするといいだろう。
次に、栄養を十分に摂れているかどうか考えてみよう。筆者のコーチングのクライアントの中には、仕事に没頭しすぎたり、ひっきりなしに会議が続いたりして食べる時間がない、あるいは単に食べるのを忘れてしまう人がいる。
あなたがそのような状態なら、栄養補助バーやプロテインシェイクなど、デスクに常備できる簡単な栄養補助食品を買っておこう。最低1日1個か2個食べることを目標にする。この習慣が身につくようカレンダーやスマホにリマインダーを設定したり、視覚的な刺激として健康によいスナックをデスクに置いたりしてもよい。
食事をすることを優先事項に定めたクライアントは、1日を通してエネルギーが高まり、仕事後の疲労感が軽くなったと言っている。