新しさを提供し続けなければ
顧客には支持されない

編集部(以下色文字):レゴは子どもから大人まで多様な顧客を抱えています。近年は、デジタルと融合した「レゴスーパーマリオ」がヒットしました。顧客に支持されるためにどのようなことを大事にされていますか。

長谷川(以下略):レゴというと、さまざまな形のブロックが400ピース以上入っている3歳からの「赤いバケツ」、5歳からの「青いバケツ」の基本セットをイメージされる方が多いです。けれども、そうした方は、いまのレゴ売り場に行くと驚かれるかもしれません。なぜならば、さまざまなキャラクターとコラボレーションした商品、花束や地球儀をつくる大人向けの商品など、多種多様な商品が並んでいるからです。我々は新しい商品を投入し、新鮮な体験を提供することが、顧客に支持され続ける戦略だと考えています。

 そのような発想で、2020年に発売した「レゴスーパーマリオ」は、スーパーマリオの世界をブロックでつくることができる商品です。ブロックでできたマリオを、自分がつくったコース内で動かして遊ぶのですが、従来の製品にはなかった仕掛けがあります。マリオの顔には液晶ディスプレーを用いており、「赤いブロックを踏んだ時にはダメージを受けた顔になる」など、多彩な表情を見せられます。ジャイロセンサーを組み込むことで、子どもがマリオをどう動かしているのかを感知し、ジャンプに合わせて効果音が鳴ったりもします。